「お世辞」が上手な人

「お世辞がうまいですね」と言われて喜ぶ人は多くありません。

「お世辞」という言葉になにか嫌なイメージがあるからです。

ただ、この言葉は本来「相手の気持ちをそらさない言葉」といったような意味で、「相手の欠点には目をつむり、長所だけを持ちあげる」というニュアンスが強いはずです。

そこが、心にもないことを言う「ごますり」とは決定的に違う点です。

相手をほめる前に、これだけは気をつけよう。

お世辞を使うのが嫌だと言って、事実をそのまま口にしたらどうなるか。

ハゲてきた上司の頭部を見て、「おやおや、ずいぶん薄くなりましたね。」と言えば、上司は気分を害するでしょう。

ハゲてきたという事実と、それを指摘するということは、まったく別の次元の問題です。

お世辞は、言ってみれば人間関係の潤滑油です。

人間が感情の生き物である以上、お世辞のうまい人が仕事ができるのは当然です。

たとえば、お世辞はこんな使い方もできます。

上司にゴマをするのではなく、押しあげる。

会議で企画を提案し、それが採用されそうだと判断したら、さりげなく上司の名前を出して持ち上げる。

上司としても気分がいいものです。

上司の手柄になれば、自分も評価されるのです。

上司の心を読み、プライドをくすぐりながら自分の提案をうまく俎上に載せていく。

面と向かって上司にお世辞が言えない人でも、この方法なら簡単にできるでしょう。

ただし、「お世辞」は諸刃の剣であることを、十分に肝に銘じでおいてください。

その一言が「お世辞」ではなく、単なる「ごますり」だと思われた時点で、相手とのあいだに溝ができてしまいます。

「なんだ、こいつは。調子のいいことばかり言って。

なにか企んでいるんじゃないか」と、逆にこれまで築いてきた信用まで一気に失うこともあります。

「お世辞」はサジ加減が非常に難しいんです。


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