コーヒーには生活習慣病の予防効果がある




「生活習慣病」とは、体の負担になるような生活習慣を続けることによって、引き起こされる病気の総称ですが、生活習慣病の中でも、特に「肥満」「高血圧」「高脂血」「糖尿病」は「死の四重奏」と呼ばれ、日本人の死因60%以上が生活習慣病によるものです。

不規則な食生活や運動不足が続くと、生活習慣病の中でも糖尿病が心配ですが、普段、私たちが飲んでいるコーヒーに意外な事実があったんです。



コーヒーが2型糖尿病発症リスクを低減

現代人はストレスも多く不規則な食生活になりがちですが、生活習慣に起因する糖尿病は「2型糖尿病」といわれています。この2型糖尿病の予防に効果的としてコーヒーが注目を集めており、世界各国から相次いで「コーヒーに2型糖尿病を予防する効果ある」という報告があります。

コーヒーと生活習慣病との関連について、コーヒーをよく飲む人で糖尿病発症者が少ない傾向があることは、多数の研究でほぼ確立されています。その一方で、コーヒーに薬剤のような効果が認められているわけではありません。

このような調査結果を発表したのは、オランダのDr. vanDamらです。1万7,111人の男女を対象とした調査を平均で約7年間にわたり追跡した結果、「1日に7杯以上コーヒーを摂取する人では、1日2杯以下の人に比べ2型糖尿病の危険度が2分の1になる」という報告が出されました。

このような調査は日本を含め世界各国で行われておりますが、1日3~4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29%、男性で27%糖尿病にかかる率が減少し、1日10杯以上飲んだ場合は、女性で79%、男性で55%の減少するという結果が出ています。

コーヒーの栄養成分が注目されています

コーヒーを食後に飲むことが多い訳ですが、正しい行いでした。食後にコーヒーを飲むと、カフェインが胃液の分泌を促し、消化を活発にします。また、脂肪を分解を促進する作用もあります。

コーヒーの主な栄養成分は、炭水化物、カフェイン、トリゴネリンなど窒素化合物、クロロゲン酸、ポリフェノール、有機酸類、脂質、揮発性物質などですが、コーヒーには数百におよぶ栄養成分が含まれており、そのなかには2型糖尿病など生活習慣病の予防に有用なものも含まれています。

コーヒーに含まれるポリフェノールの量は、100g当たり約200mg。コーヒー1杯(約140g)で300mg弱のポリフェノールがとれる計算になります。

コーヒー特有の有効成分クロロゲン酸とカフェインの働きも注目されています。

コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、コーヒー豆の芳香成分ですが、クロロゲン酸にはガンや老化などの誘因となる活性酸素を除去する、抗酸化物質として注目されています。

コーヒーは血行を促進しエネルギー代謝を高め、血液の循環をよくし、体を温める働きもあります。

また、体内の余分なコレステロールを代謝する、善玉コレステロールを増やす効果があります。その他にもコーヒーには、眠気や疲れを取り気分をスッキリさせ、疲労回復、利尿作用、ぜんそくの発作抑制、低血圧を改善、強心作用、気管支拡張作用などの作用があります。

市販の缶コーヒーは、糖分が多くおすすめできませんが、コーヒーは上手に飲むことで、生活習慣病の予防や健康増進に役立ちます。