当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、手足の冷えが強く、頭痛や腰痛などがあるときに処方される漢方薬です。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、冷え症で、とくに手足の冷えが強く、体力のあまりない人に向く処方です。 血行をよくして、体をあたためる作用があります。また、冷えによる痛みをやわらげます。しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛などにも適応します。
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯の構成生薬の“当帰”には、血行をよくして、体をあたためる作用があります。
“桂皮”と“芍薬”は痛みをとる代表的な生薬です。
そのほか、体をあたため痛みを緩和する“細辛”や“呉茱萸”・“生姜”、水分循環をよくする“木通”などが配合されます。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
西洋医学によるホルモン補充療法を選ぶか漢方を選ぶかの基準は、その症状がどのくらいつらいものかによると言ってよいでしょう。のぼせがひどい方、急に血圧が上がってきた方は、ホルモン補充療法以外に対処する方法はありません。
しかし、症状がそれほどつらくなく、健やかな老後に着地するためには、漢方が適してるでしょう。
当面のつらい状態は漢方で緩和し、ホルモンの少なくなった状態に体を慣らしていくというのは、いわば、自然に近い対処の仕方といえるでしょう。
更年期障害の漢方治療は、ホルモンが減少するのは、老化の自然な現象だから、ホルモンはいじらず、困った症状の原因だけを取り除いて、体がホルモンの少ない状態になれるまで待とうというのが漢方療法です。更年期障害の漢方治療は症状に対応させて複数の生薬を組み合わせて処方されるので、西洋薬のように単一の症状にしか対応できないと言うことは避けられるメリットもあります。
人によっては、漢方薬にも少しは副作用が生じる場合があります。服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。しだいに慣れることが多いようですが、医師と相談してみてください。
「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」はいつまで飲めばいいか?
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、手足の冷えが強く、頭痛や腰痛などがあるときに処方される漢方薬です。
効果発現時期は平均36日目で、最短7日目、最長105日目です。投与期間は著効例で7.8ヵ月、有効例で5.8ヵ月です。
論文によると、4週間では効果は乏しくても、8-12週間ほど継続して服用すると、ゆっくりと症状緩和してくることが期待されます。漢方は服用する人の相性も大事ですので、まず4週間は服用できるか、相性は良いかを確認し、その後に相性が良ければ継続してもらいます。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、慢性的な冷えが原因で月経が通じなくなったものにも良いと言われています。女性で身体内部に慢性的な冷えがあり、腰や腹部の冷えや痛みが陰部に放散し、脈が細く沈んでいるものに必ずといってよいほどよく効きます。