抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)は、イライラ感や不眠などの精神神経症状、あるいは、手足のふるえ、けいれん、子供の夜なき、ひきつけなどに処方される漢方薬です。

抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)は、神経の高ぶりをおさえ、また、筋肉のこわばりやつっぱりをゆるめて、心と体の状態をよくします。吐き気や食欲不振にも良い漢方薬です。
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
抑肝散加陳皮半夏の構成生薬の“柴胡”は、熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる働きをします。“釣藤鈎”には脳循環をよくする作用があるとされ、手足のふるえ・けいれんなどにも効果的と考えられます。“蒼朮”と“茯苓”は、水分循環を改善する漢方の代表的な利尿薬です。“茯苓”には、緊張をやわらげたり、動悸をしずめる作用もあるといわれます。さらに、血行をよくして貧血症状を治す“当帰”と“川きゅう”、気分を落ち着かせ食欲不振や吐き気にもよい“陳皮”と“半夏”、緩和作用の“甘草”が加わります。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
西洋医学によるホルモン補充療法を選ぶか漢方を選ぶかの基準は、その症状がどのくらいつらいものかによると言ってよいでしょう。のぼせがひどい方、急に血圧が上がってきた方は、ホルモン補充療法以外に対処する方法はありません。
しかし、症状がそれほどつらくなく、健やかな老後に着地するためには、漢方が適してるでしょう。
当面のつらい状態は漢方で緩和し、ホルモンの少なくなった状態に体を慣らしていくというのは、いわば、自然に近い対処の仕方といえるでしょう。
更年期障害の漢方治療は、ホルモンが減少するのは、老化の自然な現象だから、ホルモンはいじらず、困った症状の原因だけを取り除いて、体がホルモンの少ない状態になれるまで待とうというのが漢方療法です。更年期障害の漢方治療は症状に対応させて複数の生薬を組み合わせて処方されるので、西洋薬のように単一の症状にしか対応できないと言うことは避けられるメリットもあります。
人によっては、漢方薬にも少しは副作用が生じる場合があります。服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。しだいに慣れることが多いようですが、医師と相談してみてください。
「抑肝散加陳皮半夏」はいつまで飲めばいいか?
抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)は、イライラ感や不眠などの精神神経症状、あるいは、手足のふるえ、けいれん、子供の夜なき、ひきつけなどに処方される漢方薬です。
抑肝散加陳皮半夏は即効性がなく、効果が出るまで30分程度かかる場合があります。1週間程度服用して症状の改善が見られれば体質に合っていると考えられるため、1ヶ月を目安に服用することをおすすめします。
1ヶ月ほど服用しても症状がよくならないときは、医師や薬剤師に相談しましょう。