更年期の慢性的な風邪の症状とは




更年期で、慢性的な風邪の症状を感じておられる方が多いようです。

毎日、風邪を引いたようなだるさを感じて市販の風邪薬を何度も飲んでいる方。

市販の風邪薬を飲んだ一時は、体が楽になるので続けて飲んでしまっている方。



このように何ヶ月も風邪薬を飲み続けていいのでしょうか?

 答え: 症状がひどくない限り、市販の風邪薬を毎日飲み続けることは問題ありません。

薬を飲んでよくなるようであれば、飲み続けるべきです。しかし、風邪薬を数週間使用しても良くならない場合や、薬を飲む前よりも症状が悪化した場合は、服用を中止した方が良いでしょう。

冷え症 答え これは更年期の女性によくある質問ですが、冷え症は心配ないと言われてショックを受ける人が多いようです。冷え症になったとしても、治療法はありません。 しかし、サリチル酸を皮膚に塗ることで、一部の冷え症を治療することは可能です。

サリチル酸は、ほとんどのドラッグストアの薬売り場で見つけることができる。これは、ただれに塗る外用薬です。風邪をひいた直後に使用するのが最適です。 更年期の冷え症 その答え 冷え症は心配するものではありませんが、更年期になると再発します。

更年期の冷え症は、次のような方法で予防できます。

石鹸と水でよく手を洗う。 歩いているときは、足に冷たい水をかけておく。 特にシャワーを浴びているときなど、夫と頻繁にスキンシップをとる。 露出した肌には冷却効果のあるローションを使用するか、朝は抗ヒスタミン剤入りの無害な薬を使用する。

Q.53歳のパートの仕事を持つ家庭の主婦Aさんの場合

一年中風邪を引いてばかりいて困っています。
暖かい季節でも冷房の効いた部屋に30分もいれば、すぐに鼻水が出てきます。
寒い時には、朝の起き抜けから頭痛と寒気を覚え、まもなく鼻水とクシャミが現れ、ノドが痛んで微熱もあります。我慢して仕事に行っておりますが体調はよくありません。
長いこと、このような状態ですが、病院にはかからず買い薬を飲み続けています。

A.風邪のほとんどはウイルスの感染によるものです

風邪を引くと鼻から肺までの呼吸器に炎症が起こります。風邪の症状として、鼻水.くしゃみ.ノドの痛み.せき,頭痛,発熱といった症状が現れますが、普通は長くても1週間ほどで治ります。

しかし、このような風邪に細菌の二次感染が加わったり、もともと慢性の扁桃炎や蓄膿(副鼻腔炎)のある方では、風邪は長引きやすくなります。こじれた風邪(万年風邪症候群)でしょう。

しかし、冷房の効いた部屋に30分もいれば、風邪症状が現れたり、寒い季節には起床直後に決まって呼吸器系の症状がでてくるような場合、これは単純に風邪ウイルスの感染が原因とは断言できません。むしろ、室温・気温の寒冷に対して、呼吸器とくに上気道の粘膜が過敏になり過ぎており、一種のアレルギー反応の結果として風邪に似た状態になるのではないかと考えられます。

このような症状の方は、ハウスダストにも過敏かも知れません。

更年期の年齢に相当するところから、性ホルモンの混乱に伴う自律神経系の失調状態がその根底にありそうです。このような場合は、寒冷に対して呼吸器粘膜の血管反応(収縮.拡張)が過度に起こりやすくなります。

更年期の万年風邪症候群

東洋医学では、風邪の症状が数カ月続いたり、時には何年も続いていて、病院で様々な検査を行っても原因のはっきりしない場合を「万年風邪症候群」と呼んでいます。

その患者さんのほとんどは50歳代の更年期女性です。

いつも鼻水.くしゃみの症状があっても、高熱が続いたり肺炎を併発するようなことはなく、どちらかというと痩せ型で貧血傾向のある方が多いようです。また,抗生剤などの連用が原因で肝臓や腎臓に障害の見られる場合もあります。

まずは内科で、膠原病、甲状腺機能の異常(低下症)、慢性感染症(扁桃炎,副鼻腔炎,歯槽膿漏,膀胱炎,結核など)、アレルギー反応を含めて免疫異常の有無を確認してみましょう。

これらの病気や異常が否定的であれば、抗ヒスタミン剤や抗生物質、総合感冒剤よりも、自律神経調整剤、ホルモン剤、漢方薬などを組み合わせて体質面からの治療を進めると必ずよくなります。

漢方薬 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

更年期の「万年風邪症候群」に対して東洋医学では、患者さん個々の体質や症状に合わせて消炎解熱効果のある「柴胡剤」を使い分けて効果を挙げています。

今回ご紹介した症状をおもちの方には柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の服用をおすすめします。

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の成分である柴胡(セリ科:ミシマサイコの棍)とコガネバナの根は気管や肺の働きを高め、桂枝(クスノキ科:ニッケイの樹皮)と牡蠣(カキの貝殻)は精神安定作用。瓜呂根(キカラスウリの根)には気道を潤す効果があり、乾姜(ショウガの根)、甘草(マメ科:カンゾウの根)は全身の血液循環を促すことで新陳代謝を盛んにし、胃腸の状態を整えるとされています。

おなかの真ん中、おへその辺り触って動悸を感じる人では特に効果的です。柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)は、もともと結核体質に対して応用されていましたが、現在では、精神的な背景の強い虚弱体質改善に使われています。

【柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)適応症】
神経症、不眠症、血の道症、更年期障害、感冒、インフルエンザ、心臓衰弱、胸部疾患、肝臓病などの消耗性疾患の体力増強、貧血症、神経衰弱、肝炎、胆嚢炎、気管支炎、肺結核、胃アトニー、気管支拡張症、肺炎、肋膜炎、腎炎、腎盂炎、自律神経失調症、心悸亢進。