家庭で調理する場合でもアクリルアミドが生成されます。




アクリルアミドは遺伝子や染色体の構造に変化をもたらし、次世代にも影響しうる発がん物質、「遺伝毒性をもつ発がん物質」と評価されましたが

このアクリルアミドが含まれている食品は、市販の加工食品だけではありません。アクリルアミドができる仕組みには食品の加熱が関係していることから、家庭で食品を調理する場合にもアクリルアミドが生成する条件がそろえば、アクリルアミドができてしまう可能性があります。

この次世代にも影響しうる発がん物質であるアクリルアミドは、炭水化物を多く含む原材料を120度以上の高温で揚げたり、焼いたりすると発生します。例えば、野菜の素揚げや炒めもの、手作りの焼き菓子、トーストしたパンなどにもアクリルアミドが含まれていることが確認されています。

加熱していない生の食材にはアクリルアミドは含まれていません。

また、加熱調理した食品でも茹でたり、蒸したりした食品にはアクリルアミドが含まれていないか、含まれていても極微量であることが報告されています。食品ではありませんが、私たちが接する身近なものとしてはタバコの煙にもアクリルアミドが含まれています。

日本政府は消費者に対して、アクリルアミドについての情報を提供するとともに、十分な果実、野菜を含む様々な食品をバランスよく取り、揚げ物や脂肪食の過度な摂取を控え、炭水化物の多い食品を焼いたり、揚げたりする場合にはあまり長時間、高温で調理しないよう、厚生労働省ホームページ等を用いて、Q&Aなどわかりやすい内容で情報提供しています。

表:食品中のアクリルアミド含有量(要約)
食品群 食品 アクリルアミド濃度(μg/kg)
最小値 最大値
じゃがいも加工品 ポテトチップス 117 3770
フライドポテト 59 5200
ポテトフリッター 42 2779
じゃがいも(生) 10未満 50未満
穀類加工品 コーンスナック 120 220
ケーキ・パイ類 18 3324
パン類 20未満 130
トースト 10未満 1430
朝食用シリアル 11 1057
クリスプブレッド 30未満 2838
糖尿病患者用ケーキ・ビスケット類 20 3044
ポップコーン 57 300
ごま菓子 55 160
米、麺類 インスタント麺 3 581
チャーハン 3未満 67
インスタント麺のスープ 3未満 152
米菓 17 500
果物、野菜類 缶瓶詰め黒オリーブ 123 1925
プルーンジュース 53 267
揚げた野菜(天ぷらを含む) 34 34
ナッツ類 ナッツ(ピーナッツバターを含む) 28 339
揚げ物 衣をつけて揚げた魚介類 2未満 39
衣をつけて揚げた畜肉、鶏肉 10未満 64
素揚げの畜肉、家禽肉、魚肉 5未満 52
ココア製品 チョコレート製品 2未満 826
ココアパウダー 10未満 909
飲料 コーヒー豆(焙煎) 45 975
代用コーヒー 116 5399
インスタントコーヒー 195 4948
ほうじ茶、ウーロン茶 9未満 567
煎り大麦(麦茶用) 140 578
ビール 6未満 30未満
乳幼児用食品 乳幼児用ビスケット・ラスク 20未満 910
缶瓶詰めベビーフード 10未満 121

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