脳科学的な「入りの儀式」は癒しの儀式




「入りの儀式」としてある行為がパターン化すれば、その行為で脳は鎮静化しやすくなります。

一見、脳を活性化させそうな行為でも、儀式化すれば癒しの行為になるのです。

「右手で鼻をつまんでください」

「左手で右耳をつまみます」

「目の前で拍手して、左右を入れ替えます」

「次は二拍たたいて入れ替えます」

「一拍、二拍、三拍・・・と手をたたく回数を増やしていきます」

鼻耳チェンジという脳トレです。

やっていただければすぐにわかりますが、鼻をつかまず手がクロスしたり、手の動かし方が一瞬わからなくなったりします。

なかなか自動的にはできません。

この脳トレを繰り返すにつれ、脳活動、とりわけ前頭葉が鎮静化していきます。

どんなにややこしい脳トレでも慣れが生じます。

脳は、実に速やかに必要な部位の活動だけで済むように自動化を進めていきます。

そして、パフォーマンスが上がっていくわけですが、その分、前頭葉は鎮静化していきます。

このとき、線条体の活動が高まります。

スムーズにできるようになってくると何だか気持ちいいのは、線条体の腹側、快感の中枢・側坐核でのドーパミン放出が増すからです。

手馴れた行為を繰り返せば、前頭葉は鎮静化して癒され「待てる」状態が作られます。

その一方で、線条体のスイッチが入り、「ヤル気の回路」が回りはじめます。

だからこそ、パターン化して手馴れた動作をともなう「入りの儀式」を作る事が大切です。