肝臓に関係する血液検査基準値早見表




肝機能数値は定期健診で常にチェックをしましょう。



目次

肝臓の検査には血液学的検査と形態学的検査があります

肝臓は「沈黙の臓器」とよく言わるように、自覚症状がほとんどなく、いつの間にか病気が進行している場合も少なくありません。これは肝臓がもともと予防能力高いためで、多少の障害があったとしても症状が現れらくい臓器だからです。

したがって、肝臓の健康を守るためには定期的な健診でしっかりと検査を受けることが必要です。肝臓の検査には、大きく分けて血液学的検査と、形態学的検査があります。

血液学的検査では、肝臓の血液検査の代名詞ともいえるAST(GOT)、γ-GTP(γ-GT)のほか、下記の表にあるような各種データから肝臓の症状を判断します。

一般健診の血液検査でも肝臓の状態を把握できます

精密検査が必要な場合や、明らかな異常が認められるときは、形態学的検査である腹部超音波検査(エコー)、CTスキャン、MRI、血管造影検査などが行われます。

現在の医学では、肝臓のチェックには血液検査が基本となっており一般的な健診の条件血液検査でも、肝臓の状態をかなり正確に把握できるようになっています。

下記の血液検査基準値早見表は、職場や自治体で受けた健康診断の内容データでご自分の肝臓の状態を知るためにご利用下さい。

血液検査基準値早見表

血液検査の種類 基準値(正常値) この検査でわかること
AST(GOT) 10~40U/ℓ 肝細胞の破壊により数値が増加する
ALT(GPT) 5~45U/ℓ 肝細胞の破壊により数値が増加する
γ-GTP(γ-GT) 0~60U/ℓ アルコール性肝障害や胆汁の流れが悪くなると上昇
ALP 74~223U/ℓ 肝臓や胆道系の異常で胆汁の流れが悪くなると上昇
コリンエステラーゼ(Ch-E) 3,500~8,000U/ℓ 肝臓の高度の機能低下により数値が下がる。脂肪肝は上昇
血清総たんぱく(TP) 6.5~8.2g/㎗ 栄養障害や肝臓の働きが悪くなると低下する
TTT 0.5~6.5U 肝炎・感染症など急性・慢性の炎症がると上昇
ZTT 2.3~12.0U 肝炎・感染症など急性・慢性の炎症がると上昇
アルブミン(ALB) 3.7~5.5g/㎗ 肝機能が低下してたんぱく質代謝が障害されると低下
A/G比(アルブミン・グロプリン比) 1.3~2.0 肝機能が低下すると数値が低くなる
血清総ビリルビン 0.2~1.0㎎/㎗ 幹細胞や胆道に障害が生じると高値を示す
ICG(インドシアニングリーン)試験 0~10% 肝硬変で血行障害が進むと高値を示す
血中アンモニア(NH3) 18~70μg/㎗ 肝臓が高度に障害されると上昇。意識障害を伴う
プロトロンビン(PT)時間 8~12秒(80~100%) 肝障害があると血液が凝固しにくくなり時間が延長する
中性脂肪(TG) 50~149㎎/㎗ カロリーの取りすぎ運動不足で上昇する
血清総コレステロール 150~219㎎/㎗ 高すぎても低すぎてもいけない
HDLコレステロール

男性41~80㎎/㎗

女性41~90㎎/㎗

高すぎても低すぎてもいけない
LDLコレステロール 70~139㎎/㎗ 高すぎても低すぎてもいけない
血糖(BS) 空腹時70~109㎎/㎗ 高い血糖値は糖尿病である
血小板(Plt) 14.0~37.9万/μℓ 肝臓病が肝硬変へ進むにつれ数値が下がる