「もともと嫌い」というのではなく、ある瞬間にいっぺんに嫌いになる。先手必勝の戦術。

負けない人の特徴。議論や交渉は、フェイス・トゥ・フェイスの双方向コミュニケーションです。一対一の時もあれば、複数人を相手にする場合もあります。

フェイス・トゥ・フェイスの双方向コミュニケーションは、不特定多数を相手に行う一方通行の講演や講義とは違い、間近で言葉のやり取りを行います。

距離が近いので相手の表情も見えますし、息遣いも分かります。

一般的に議論は、理論や理屈ではなく、心理的な面で影響されることが非常に大きいことをまず知っておいて頂きたい。



嫌いな人と同じ部屋で一緒にいる時、どれだけの時間耐えられるか

嫌いな人と事情によってやむを得ず長い時間一緒にいなければならない場合、基本的には最初から

「できるだけ早くこのシチュエーションから逃れたい」という心理が働きかけるに違いない。

このような心理状態がある時、あなたはすでに相手の話を聞く姿勢を100%失っていることでしょう。

初めから、まともに話を聞く耳を持っていないはずです。

逆の立場を想定してみましょう。

あなたは相手に嫌われている。

しかし、あなたはそれに全く気が付いていない。だから普通に挨拶し、普通に話を切り出し、普通に話を進める。だが、相手はあなたの話をまともに聞いていない。

相手は当然、自分の結論を持っている。

もはやその結論しか頭にない。

できるだけ早くその結論以上の結果を導き出し、この場を終わらせたいと思っている。

議論でも交渉でも、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの場では、この状態は決定的に不利である。そもそもコミュニケーションが成り立たない。

「そんな場面はめったにありませんよ、〇〇さん」

あなたは今、そう思っているかもしれない。

しかし、相手に嫌われていることを知らずに一生懸命に話をしている状況は、ビジネスの場では少なからずあるものです。

相手はさすがに「帰れ!」とまでは言えないから、聞いているふりをしているが、

内心は「早く帰ればいいのに」と思っている。そんな状況は意外と多いのである。

相手に嫌われる状況というのは案外、瞬時にできてしまう。

「もともと嫌い」というのではなく、ある瞬間にいっぺんに嫌いになるという状況が起こるケースは結構多いものです。しかも、嫌われた方は、ほとんど気づかずに。