
ビジネスの要諦は「見切り」にあります。
見切りとは、これまで注ぎ込んできた資金や時間や努力、あるいは手にするであろう利益のいっさいを捨てきること。
継続することに危惧を感じたなら迷わず見切ること。
これが会社も社員も伸びるコツです。
目次
いまやるべきこと、いまやらざるべきことの結論を出すのが早い人
たとえば以前、ある会社でこんなことがありました。
技術陣が、医療機器メーカーと共同で、赤外線センサーを使った鼓膜体温計を開発した。
鼓膜は脳に近いため、正確な体温を測ることができる。
画期的な新製品でした。これは売れました。
独占技術ということもあって儲かりました。
ところがその後、この分野に日本最大の家電メーカーなどいろいろな企業が参入してきました。
精度の高さから、鼓膜体温計が主流となった訳です。OMRON 社の鼓膜体温計は、よく目にします。
さて、最初に世に送り出したある会社としては、これらの他企業の参入をどう迎えうつか。
社内で議論した結果、この会社の社長が下した結論は「撤退」でした。
先発メーカーとして技術には自信があり、かつ売れている製品を「見切った」訳です。
それは何故か・・・
需要と価格は反比例の関係にあるからです。
鼓膜体温計が普及すれば、それにつれて価格は当然下がってくる。
電卓がいい例ですが、価格勝負になれば、量産ノウハウと設備を持つメーカーが勝つのは自明の理。
ベンチャー企業として、量産による価格合戦で大手家電メーカーと勝負するのはけっして得策ではない。この社長は、そう判断したのです。
社内の意見としては、いますぐ撤退しなくても、売れているのだからもう少し稼いでからにすべきだという声もありましたが、社長に言わせれば、儲かっているいまだからこそ、あえて撤退すべきなのです。
これが「見切り」です。
かつてバブル期に多くの企業が、土地をころがし、濡れ手で粟の大儲けをしましたが、見切ることができず、結局、バブル崩壊で倒産しました。
会社も社員も、根拠のない「あともう少し」という欲が墓穴を掘ることになります。
あえて「結論を出さない」人が持つ思考の技術
プロデューサーは最後尾にいる
「丸山さんは、とても変な人だ。面白いことを、自信なさげにぼそっという。『仕事ができます』オーラもあまり出さない」
古市憲寿さんが、拙著『すべての仕事は「肯定」から始まる』(大和書房)を著した時に、推薦文として書いてくれたものだ。この後、「だけど人の記憶に残る変な番組を、定期的に生み出している」とフォローはしてくれているのだが、なるほど、さすがの人物描写、苦笑しつつも受け入れざるを得ない。
じっさい、たしかに他の出演者たちからも、お会いした時に、「プロデューサーっていうから、もっとブイブイいわせてる人かと思っていた」「もっとイケイケで濃いキャラの人かと思っていた」と、想像されていたイメージとの相違を伝えていただくことが多い。
どうやらテレビプロデューサーというと、エネルギッシュな押しの強いタイプ、脂ぎったお調子者タイプなどを連想する方が多いようだ。ちょっと複雑な気分だ。
世間でのプロデューサーのイメージといえば、口八丁手八丁で、多くの人々から企画への賛同を引き出し、制作現場でも中心となってスタッフを統率する姿だったり、キャラが強く、大声で指示を出し、先頭に立って皆をグイグイひっぱっていく姿が定番らしい。ドラマなどでもそんなふうに描かれているのを見ると、苦笑してしまう。
しかし、当然といえば当然なのだが、ちゃんとコンスタントにさまざまなジャンルの仕事を継続させていくプロデューサーは、バリバリ前面に立って……というより、どちらかといえば寡黙、むしろ最後列から全体を見渡しているような人が多い気がする。
そもそも、仕事の中身自体が、本当に多くのさまざまな人々に関わってもらうことで、たったひとつの企画書から映像作品を立ちあげていくのだから、オンエアーの瞬間まで、さらには放送後の反響に対してもブレない胆力、情緒の安定、しなやかな精神の強さが重要になってくるはずなのだ。今まで出会った多くの先達たちの後ろ姿、そのたたずまいを思い浮かべながら、そう確信する。
リーダーシップの取り方にもいろいろある。登山の時、リーダーは脱落者が出ないよう、最後尾から登る。皆の背中を押しながら、励ましながら、山頂を目指すのだ。もちろん、いろいろなタイプがいてよいのだが、全体を俯瞰で見ることができる冷静さは、僕が考えるプロデューサーの、まずは必要条件だ。
引用元「あえて「結論を出さない」人が持つ思考の技術 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準」
悩むには2種類ある。それは、結論を出すか出さないか。
結論を出さないデモデモダッテ族
悩みを相談しているのに全然言うこと聞かない人っていますよね。
相談されても答えようのない質問をしてくる人とか。
がんばれとしか言いようがない相談とか。
やめれば?って言うしかない相談とか。
これは、結論を出さないタイプの悩みです。
ただただ自分の頭の中をこねくりまわしているだけ。
「どうせわたしにはできないし」
「でもやりたいな」
「でも失敗したらどうしよう」
「だって生活もあるし」そうです、いわゆる「デモデモダッテ」族の方たちは、結論を出しません。
ただひたすらに、悩んでいる。悩みがなくお気楽に見える人たち
悩みには結論が必要です。
「どうしようかな」と考えた結果、「こうしよう」と結論づける。
結論が出ない悩みには、
「一旦悩むのをやめる」という結論を出す。だから、頭の切り替えが早くて、余計な悩みに振り回されることも無い。
こういう人は、デモデモダッテ族の方から「あの人はいいよね、能天気で」とか思われる。
わたしは悩みに結論を出す人の方が好きです。
引用元「悩むには2種類ある。それは、結論を出すか出さないか。 | YOSHIMINATSUMI.COM」
先回りして結論を出す人より「一理ある」と踏みとどまる人でなくてはならない理由
WEBメディアの運営責任者という立場になって2年が経つのですが、
経験が増えるほど逡巡する時間が増えるようになりました。WEBメディアに関わらず、仕事をする中でも「この決断が正しいのか、間違っているのか」という
禅問答に苛まされることは結構あると思うんです。そんな中でも組織の要請とユーザー(はたまたクライアント)のニーズの中で
揺れながら最適解を出していかなくてはいけないのでしょうが。ただ、事業として立ち上げて時間が経つほど
色んな話(チャンス)を聞く機会は増えてくるもので
そういうお声掛けをもらった時に
「でも」「とはいえ」という言葉で先回りして
「ない」という結論を出してしまう人をよく見かけます。また、時間が経てばユーザーさんの声を頂戴する機会も本当にありがたいことに
増えてきて、そういう声から新しいアイデアが出てくるのですが、
そういう時に「このアイデアは事業計画から“はみ出すぎている”」とか
「本来のコンセプトと違う」といった理由で可能性に蓋をしてしまう人もよく見かけます。そういう、決断をスピーディにしてドヤ顔をする人。
僕はそういう人はあまり信用しないです。
なぜならそういう決断なら正直誰でもできるから。
そんなに人の持っているモノサシって変わらないですよ。それよりもなぜそういう声がかかったのか、
なぜそういうアイデアが浮かんだのか、
その理由にとことん耳を立てて「一理ある」と思える人は
後々ですごく差が出てきます。その差は何かというと「説明力」です。
しっかりと都度踏みとどまって理由を探して自分なりの「一理」を持った人は
説明力が圧倒的に強くなっていきます。メディア業界にいるからなのか、本当に世の中の動きが早くなっている気がします。
そんな中でもいちいち「一理」を考えている人は、そういう物事の動きについて
不思議としっかりと説明ができるようになっているんです。
そしてそういう人はゆくゆく“正しい”決断を出来るようになっていきます。逆に先回りばかりしていた人はだんだんと自分の“感覚”にすがるようになっていきます。
また、そういう態度がネックとなって“声”がかかりづらくなります。
そしていつの間にか取り残されていきます。人は可能性を信じている人に賭けたいものなのです。
ということを自戒を込めて書き記しておきます。
引用元「先回りして結論を出す人より「一理ある」と踏みとどまる人でなくてはならない理由 : 斜め下から徒然と」
結論を出す会議にするために
さて今回は、会議でありがちな場面を想定することから始めよう。よくある話だが、発言を求めてもシーンと静まり返ってしまう。議論が盛り上がりすぎて収拾がつかなくなる。ダラダラした話し合いが続き、いつ終わるかわからない。結論が出せずに次回持ち越しが続く。決定したものの誰も実行しない。こんなカッコ悪い会議をしないためにどうするか、一緒に考えてみよう。
議論を盛り上げる
あなたは参加者に向かって「春のキャンペーン企画について、何か意見はありませんか?」と発言を求めた。ところが、だれも発言しない。沈黙が流れる。辛抱しきれず、参加者のひとりが「では、景品を出すのはどうですか?」と言う。そこで、あなたが「これについて、どなたか?」と他の参加者の発言を促す。ところが、またしても沈黙が続く。投げたボールがテーブルの上にポトリと落ちる。全員が気まずい思いに支配されるが、何とかしようとする参加者はいない。
なぜ、意見が出ないのだろうか。それは、あなたが投げかけたボールが、あまりにも漠然としたものだったからだ。参加者にしてみれば、「何か意見は?」と言われても、どう意見を述べればいいのかわからない。 そんな時には、議論の切り口を示すことだ。たとえば、「消費者が積極的に参加できるアイデアはありませんか?」とか、「他社のキャンペーンと差別化するにはどうすればいいでしょうか?」などと。そうすると、「参加させるにはクイズ形式がいい」とか、「地域を絞り込んでイベントを開催すればいい」などと、いろいろな意見が噴出してきて議論が盛り上がる。
また、一つの意見に反論を求めるのも大切だ。たとえば、「クイズがいいという意見ですが、これに反対の人はいませんか?」と。そうすると、「クイズは運営が大掛かりになり過ぎるから難しい」などと反論が出てくる。さらに「いや、コンパクトにやれば手間はかからない」などと、さらなる反論が繰り出される。議論は、一つの意見だけでなく、異論や反論が多く飛び出してくることによって活性化する。逆に反対意見が無いなら、そもそも議論をする必要はない。
踊る会議をコントロールする
沈黙が流れる会議ほど気まずいものはない。しかし、逆に議論があっちへ飛びこっちへ飛び、会議が踊ってしまうのも始末が悪い。「シールを集めさせると売り上げが伸びる」、「いや、それは大掛かりになり過ぎる」、「いやいや、決して悪くない。実績があるし…」、「今回は斬新なアイデアが必要だ」、「コンテストを開催するのはどう?」などと、さまざまな意見が飛び交う。そのうちに、「シール集めは子どもっぽい」、「子どもっぽいって、どういうことか」、「シール集めは子どものやることですよ」などと感情的な対立に発展する。それこそ子どものケンカになってしまう。
会議が踊り出したら手に負えなくなる。そんな時に議論を傍観していてはいけない。あなたは議論に割って入って、意見の対立している双方と会議の「目的」や「目標」を再度確認すべきだ。たとえば、「ちょっと待ってください。そもそもこの会議の目的と目標は…」とか、「みなさんに話し合っていただく議論の切り口は…」などと。そうすれば、軌道修正することができる。
さらにやっかいなのは、議論が感情的な対立になった時だ。あなたがいくら「冷静に!」と言っても、一旦火がつくと止まらない。「これで冷静になれという方が無理だっ」とさらに激昂する。そんな時は、意見はそれぞれの立場からの発言であることを思い出させることだ。たとえば、「現場の意見と管理部門の意見は異なって当然です。それぞれの思いはよくわかりました」と立場の違いに理解を示す。そして、「そもそもこの議論の目的はですね…」と、議論を巻き戻して再スタートさせる。それでも感情がおさまらない時は、最終手段として「クールダウンするためのブレイクをとりましょう」と、一旦、議論を打ち切るという方法がある。
長い会議を切り上げる
非生産的会議の典型的な特徴は、結論が出せずにダラダラ続くことだ。そもそも会議が長いのは、終了時刻を決めずに始めるからだ。よくある話だが、アジェンダには「10:00~」と記載されているだけ。もし、あなたが開催者なら会議の所要時間を見積もって終了時刻を明記する。そして、会議の冒頭で「本日は12:00に終了します」と宣言する。宣言した手前、遅れるわけにはいかない。そうすれば、時間内に収めようと全員が協力してくれる。もし、あなたが参加者であれば会議の冒頭で、主催者に「この会議は何時まで予定されていますか?」と尋ねるべきだ。終了時刻を決めてから会議を始めよう。
非生産的会議の特徴をもう一つあげるなら、それは、特定の参加者の発言が長いこと。「…ですが、…ということもあり、…と言われていますが、…だからですねえ」などと、だらだらと長い話が続く。「。」をつけて話を短く区切ると、その隙に他の参加者に発言を差し挟まれてしまうからだろう。もし、延々と話が続くようだったら、発言の途中で「ちょっと、よろしいですか。おっしゃりたいことは…ですね」と発言内容を要約して、「この発言にどなたか反対の意見はありませんか」と他の参加者にチャンスを与える。メリハリ良くスマートに議論を進めよう。
会議を定刻通りに終えるために、タイム・キーパーを置き、経過時間や残り時間を知らせる
効率的な議論を行い、会議を定刻通りに終える。それを実現するためのとっておきの方法がある。それは、タイム・キーパーを置いて、経過時間と残り時間を参加者全員に知らせることだ。「開始から45分経過しました」とか、「残り30分です。2つ議題が残っています」とか、「タイムアップです」などと。そうすれば、否が応でも参加者は定刻終了に協力的になる。
決定し結論を出す
なかなか結論にたどり着けない会議もあるだろう。ああでもない、こうでもないと議論が続く。あなたが「では、そろそろ」と言っても参加者は議論に夢中。あなたは、たまらず「それでは、決を採りたいと思いますが…」と言う。それなのに「その前に、ちょっといいですか。そもそもですね…」と、直前でちゃぶ台をひっくり返す参加者がいる。これでは結論を出すことは難しい。
議論の行方が一つにまとまり、コンセンサスが生まれてくると、「では、A案で決定したいと思いますが、いかがでしょうか」と投げかける。多くの参加者が賛同の意を表したら、「A案に決定します」と結論を出す。しかし、そのように順調にいく時ばかりではないだろう。決まらない時は、参加者が判断するための基準を決めることだ。たとえば、議論の結果、テーブルにいくつかのアイデアが並べられたとしよう。どのアイデアを採用するか。それは参加者の判断基準によって異なる。それは、期待される成果かもしれないし、アイデアの斬新さかもしれない。それに、実現可能性が判断基準になるかもしれない。参加者一人ひとりの基準が異なる。これが決まらない原因だ。そこで、あなたは「決定するための基準を決めましょう」と投げかける。判断基準を参加者と共有できたら結論を導き出すことができる。ただ、判断基準を決めるための議論が暗礁に乗り上げ、それさえも決まらないということもあり得る。
そんな場合は、「間違った決定をすることを恐れるあまり、何も決定できない。そのリスクを考えてください」と投げかけてみよう。そうすると、参加者は何とか結論を捻り出す。国際会議などで見られるように、「決定しないことを決定する」という方法もある。いずれにせよ、会議は結論を出して終わることが重要だ。
決定を実行に移すために
あなたは、会議の冒頭で「それでは、前回の会議からの進捗状況について報告してください」と言った。しばらく沈黙が流れた後、ひとりの参加者が意を決して「忙しくて手がつけられていません…」と言った。それからというものは、堰を切ったように「お客さんからのクレーム対応で…」とか、「ちょうど出張と重なって…」などなど言い訳のオンパレード。これではビジネスは一歩も前に進まない。いくら議論を重ねても、実行されなければ時間とエネルギーの無駄となってしまう。
会議の終了後、次へのアクション(実施項目、役割分担、納期)を参加者に伝え、実行を促す
もし、あなたが、単に「A案に決定しました」で会議を終えると、だれもその後の行動を起こさない。参加者は、誰かがやるのだろうと思う。たとえ行動を起こしたとしても当事者意識はない。そこで、あなたはボディの議論が終わったら、クロージングで「全体要約」、「決定事項の確認」、そして、「次へのアクション」と進める。この次へのアクションが重要だ。ここでは、会議が終了した後に、何をやるのか(実施項目)、だれがやるのか(役割分担)、いつまでにやるのか(納期)を参加者に明確に伝え、行動を促すことだ。
ただ、これで安心してはいけない。会議で決めたことを忘れてしまう参加者も多い。それに口頭だけの話し合いだと、「えっ、そんなこと決まりましたっけ?」とか、「いや、誤解していました」などと、言った言わないの論争に発展する。これでは何のために会議を開いたかわからない。この問題を避けるために、議事録を作成し決定事項と次へのアクションを書面に残しておく。議事録は直ちに参加者全員に配付する。参加者が決定事項を実行に移せばビジネスは前に進む。これではじめて、会議はコスト以上の価値を生み出せる。
引用元「後編 結論を出す会議にするために|スマートな会議で業務効率化! ビジネスを前に進める「会議術」|株式会社日立ソリューションズ」