
ある分析機器の世界トップメーカーの社員は、良くも悪くも、あきらめの遅い人間が多かった。この会社の社長とは、正反対でした。
社長は、極端にあきらめの早い人間。これは社長自身も自覚しており、それを得意がっているわけでもなく、これを短所と反省し、自戒し、そして直らぬ性分を嘆いていました。
しかし振り返ってみると、もし自分のあきらめの早さがなかったら、おそらく今日のこの会社はなかったろうと思っていました。自分が創業した会社が企業として、分析機器の世界トップメーカーに成長したのは、まさにこの「短所」を抜きにしては語られない・・・
目次
一度決めたことは最後までやり遂げる人。短所を武器にした社長の方法
社長の夢は原子物理学の研究者になることでした。
高校時代にこれを一生の仕事と決め、あこがれの某大学理学部物理学科に進学を果たすことができました。ところが入学の喜びもつかの間、当時、戦時中であった日本の戦況は日を追って激しさを増し、ついに日本は無条件降伏したのでした。そして終戦から日をおかず、大学の大学の核実験施設は米軍に破壊され、研究の継続は不可能でした。
大学を卒業後も大学に残って研究を続けるという夢は、この時点で大きく狂ったのです。
大学の実験施設は米軍に破壊されてしまった・・・
ならば、自前の研究施設を作ろうと決心したのでした。終戦からわずか2ヵ月後だったそうです。
しかし、小なりといえども会社である以上、維持していかなければならない。
研究を続けていくためにつくった会社でしたが、いつしか金儲け第一の日々になっていました。
さて、この社長の「短所」が顔を出すのは、ここです。
もし社長が信念の人間で、研究のためにつくった会社であるという初志を貫徹していたなら、
この研究所はどうなっていただろう・・・
倒産は必至であり、そうなれば現在は分析機器の世界トップメーカーであるこの会社は存在しない。
多少、強引な理屈ですが、あきらめの早い人間であるという「短所」がプラスに作用しました。
結果オーライと言われそうですが、人生は結果こそすべてです。
一般的にビジネスの世界では「あきらめの早い人」という評価は、「あいつは使えない」と言われているのと同じことです。なぜなら、ビジネスでは、ねばりにねばって成功を勝ち取ることこそ賞賛されます。
「やりました。ダメでした」では、根性のない落ちこぼれ社員というわけです。
たしかに、その通りですが、経営者からしてみると根性のない社員はいらない。
入社してきても、伸びるわけがない。
そんな連中が出世するようでは、その会社に未来はないでしょう。
「あきらめの早い人=ダメ社員」という定説に異議を唱える人はいないでしょう。
ただし、この定説は「いままでは」という注釈をつけるべきです。
なぜなら、日本経済が右肩上がりであった時代は、ねばればなんとかなりました。経済成長というパイがどんどん膨らんでいたわけですから、ねばりの強さは力でした。
ところが、現在はマイナス成長というゾーンに日本経済が入り、価値観が多様化するにつれて、
「仕事ができる人」という定義が大きく変わってくるのは、むしろ自然と言っていいでしょう。
これからは「あきらめが早い」からといって「仕事ができない」とは言い切れなくなってくるのです。
むしろ、「一つのことがダメだったら、すぐ次の手を打つ」といった機転の早さ、発想の豊かさは大きな武器になるはずです。このように、自分の「短所」をプラスに転じ、仕事に活かすことが「仕事ができる人」の大きな条件になってくるでしょう。
最後までやる遂げるには、4つのステップが重要
1.「興味」
自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれる。インタビュー対象者はいずれも、目標に向かって努力することに喜びや意義を感じていた。だからこそ彼らは尽きぬ興味と子どものような好奇心を持って「この仕事が大好きだ」と言うそうだ。
まだ「これだ」と思うものが見つかっていない人は、次の質問を自分自身に問いかけることで、取り組むべきことを「発見」できる可能性がある。
「私はどんなことを考えるのが好きだろう?」
「いつの間にか考えているのはどんなこと?」
「私が本当に大切に思っているのはどんなこと?」
「私にとって最も重要なこととは?」
「何をしているときが一番楽しい?」
「これだけは耐えられないと思うことは?」まずは好き嫌いをはっきりさせて、とりあえずいいと思ったことをやってみる。うまくいかなかったら取り消してもいい。その過程で、自分にとって最重要なものはこれだと確信できるときが、いつか必ずやって来る。
2.「練習」
「粘り強さ」の一つの表れは「昨日よりも上手になるように」と日々の努力を怠らないこと。だから、一つの分野に深く興味を持ったら、脇目も振らずに打ち込んで、自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする「練習」に励む必要がある。
ただ、やみくもに練習を重ねるのではなく、明確な目標を設定したうえで自分の弱点を認識し、それを克服するための努力を日々繰り返す「意図的な練習」をすることが重要。時間の長さよりも「どう練習するか」がカギだ。
なお、「やり抜く力のエキスパート」たちは、次の3つの流れで練習を行っているという。
・ある1点に的を絞って、ストレッチ目標(高めの目標)を設定する
・しっかりと集中して、努力を惜しまずに、ストレッチ目標の達成を目指す
・改善すべき点がわかった後は、うまくできるまで何度も繰り返し練習する3.「目的」
自分が取り組んでいる仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結ぶ。目的意識を感じないものに興味を持ち続けるのは難しい。だからこそ、自分の仕事は個人的に面白いというだけではなく、「他の人々のためにも役立つ」と思えることが必要だ。
「目的」を持つためには、「ロールモデルとなる人からインスピレーションをもらう」のが効果的だ。
「もっといい人間になりたい」と思わせてくれるような生き方をしている人はだれかと考え、そう思う理由を分析してみる。そして、「この人のようになりたい」と具体的に考えることが目的の発見・明確化につながる。
なお、研究の結果「目的」のスコアが高い人ほど、「やり抜く力」が強いことがわかっている。「意義のある生き方がしたい」「ほかの人々の役に立つ生き方をしたい」というモチベーションが高ければ高いほど、やり抜く力に長けている。
これは、「やり抜く力が高い人はみな聖人」という意味ではなく、「自分にとっての究極の目標は、自分という枠を超えて、人々と深くつながっていると考えている」ということを指す。このような考え方を意識的に持つことも、やり抜く力を伸ばすトレーニングになるはずだ。
4.「希望」
希望は困難に立ち向かうための「粘り強さ」の源でもある。希望は、最初の一歩を踏みだしてからやり遂げるまで、あらゆる場面に関わるものであり、ときに困難にぶつかり不安になっても、ひたすら自分の道を歩み続けるために必要不可欠のものだ。
「希望」の持ち方を学びたい人は、次のステップを試してみるといい。
・成長思考を持つ
=人は変われる、成長できると信じて一生懸命努力すれば、自分の能力をもっと飛ばすことが可能だと考える
↓
・楽観的に考える
=意識して悲観的な考え方を止め、物事を楽観的に捉え、考えるトレーニングをする
↓
・結果、逆境でも粘り強く頑張れる
引用元「成功者の必須スキル=「やり抜く力」を伸ばすための4つのステップ | リクナビNEXTジャーナル」
成功するまで諦めない
成功するかしないかは、その人のもっている熱意と執念に強く関わっています。何をやっても成功しない人には熱意と執念が欠けているのです。体裁のいい理由をつけ、自分を慰め、すぐ諦めてしまうのです。
何かを成し遂げたいときには、狩猟民族が獲物を捕らえるときのような手法をとることです。つまり獲物の足跡を見つけると、槍一本をもって何日も何日も追い続け、どんなに雨風が吹こうと、強敵が現れようと、その住処を見つけ、つかまえるまでは決して諦めないというようないき方です。
成功するには、目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜くということが必要です。
引用元「成功するまで諦めない | 稲盛和夫 OFFICIAL SITE」
最後まで諦めない強い心
今日は、相撲の話題です。この秋場所を一人横綱で闘い抜いた日馬富士(はるまふじ)の話です。彼は全身にけがを抱え、今までも休場しながら、相撲を取ってきました。必ずしもいいコンディションで取り組みを迎える訳ではありません。今場所は、3人の横綱が初日から休場し(相撲の試合を休み)、ひじにサポーターがトレードマークである横綱の日馬富士の、後に引けないプレッシャーは相当なものだったでしょう。序盤戦(本場所の15日の内の7日目まで)で4敗し、周りから引退を噂された日馬富士。14日目が終わった時点で、彼は10勝4敗。首位で走っていた大関の豪栄道は11勝3敗。千秋楽で直接対決という場面を迎えました。もう負けられない日馬富士。その一番(相撲の取り組み)で豪栄道に勝って、11勝4敗の相星(引き分け)となり、優勝決定戦にもつれ込み、再び大関を下して逆転優勝しました。
大相撲では大抵の場合、全勝か1敗、多くとも2敗までで優勝が決まるのですが、日馬富士は初日と、3日目から5日目までの3日連続で負け、対戦相手に金星(勝ち)を与えることとなり、苦しいスタートでした。しかしその後は負け崩れることなく、最後の最後まで粘り、土壇場でひっくり返して優勝したのです。崖っぷちに立っても、「気持ちだけは負けないように前を向いて相撲を取りました。」と語っていました。諦めないことを学んだと。
一方、絶対優勝できるところにいたのに負け出した豪栄道。ライバルが負けていく中で楽勝かと思われたのですが、絶対なんてあり得ないですね。「勝つことの重圧」が彼のプレッシャーになりました。来場所は綱取り(横綱への昇進)の場所にもならないという見解を示されました。相撲の優勝杯である賜杯(しはい)と、綱取りのチャンスまでも一気に失いました。豪栄道は「いつか、これがあったからよかったと言える相撲人生にしたい」という言葉を残しています。
優勝というプレッシャーに負けた豪栄道、一人横綱と4敗の重圧に打ち勝った日馬富士。勝負に勝つ前に、色々なものに勝つ必要があるのです。勝っても負けても、学べることがあります。プレッシャーをはねのけ、学んだことを活かし、勝ちを取りに行ける、そんな強い心を育てていきたいですね。百戦練磨で鍛えていきましょう。
最後に、「土俵の上では一人に見えても、支えてくれている人がいるから土俵に上がれる」と、日馬富士は感謝していたそうです。みなさんの周りにも応援している人がたくさんいますよ。
引用元「最後まで諦めない強い心 | 今週の朝礼」
自己PRで「諦めない姿勢」をアピールする人は多い?
近年、ストレスに打ち勝つ精神力が乏しい若者が多いと言われています。そんな中、ストレス耐性に強いという一面をアピールする人を高く評価している企業が多くなってきています。
「諦めない」「忍耐力」「粘り強さ」などの言葉は、前向きな印象を持たれやすく、自己PRのときに使う人が多い傾向にあるようです。
諦めなかったエピソードは、学生時代に経験した部活動・サークル・ゼミ・研究などの活動や、アルバイト先での経験を通して、どんな場面からでも語ることができます。
また、最後まで諦めない、という姿勢が社会人にとっても必要だということが良い印象につながる理由にもなっています。粘り強い性格の人は「挫折しにくい」…という印象を抱く人も多いことでしょう。挫折に打ち勝つ強い心の持ち主は、企業側も喉から手が出るほど欲しい人材かもしれません。
社会に出ても、諦めない姿勢、忍耐力、粘り強さ、ストレス耐性の強さなどは必要不可欠なものです。学生時代に諦めずに頑張った経験をアピールすることで、就職後の活躍を期待されるものとなるでしょう。
諦めない姿勢をアピールするときのコツとは
どんな場面を話の題材に持ってきてもOKです。
取り上げる題材が決めたあとは、経験を通して学んだことや今後の仕事にどう活かしていくのかなど、ポイントを絞って自分だけのストーリーを構築していきます。
以下の大事なポイントを意識しながら諦めなかった経験談を作ってみましょう。
・エピソードには具体性を持たせること(ありきたりな内容は避ける)
・苦労した出来事を交えること
・諦めないことで実った成果をアピールすること
・働いているイメージが湧くように意識すること自己PRで「諦めない姿勢」をアピールするときには、以下のようなことを取り上げると、さらに良いものに仕上がるでしょう。
・目標に向かって達成しようとする粘り強さ
・困難な状況からでも最後までやり遂げる忍耐力
・結果が出るまで諦めない姿勢
・成し遂げる力量
・自分に厳しくできる(言い訳をしない)一番大切なのは、自分自身の経験を嘘偽りなく語ることです。
そして、これまでの経験をどのように発揮していくのかを担当者に伝えることが重要になります。「諦めない姿勢」のアピール例
自己PRは、応募者一人ひとりの性格を知るために必要な質問です。
個性あるアピール内容を作りましょう。以下の例文は、部活動を題材にしたものです。
一つのアピール例として参考にしてみてください。・題材「部活動」
私は、目標に向かって最後まで諦めずにやり遂げる、という信念を持っています。
中学時代に剣道に憧れ、まったくのド素人から剣道部に入部しました。周りとの力の差は大きく、落ち込むことも幾度となくありましたが、コツコツと練習を重ねて、少しづつですが上達していきました。そのときに掲げていた目標は「6年後には試合で勝ち進む選手になりたい」というものです。その目標を常に頭の片隅において毎日練習に励みましたが、試合では何度も負けを味わいました。
しかし、決して諦めることなく、日々鍛錬を重ねて、高校3年生のときに出場した大会では、ついに準決勝まで勝ち進むことができました。
これまで途中で諦めることなく続けてきた継続する力を、今後の社会経験に活かしていきたいです。
社会生活の中でも目標をしっかりと掲げて、何事にも前向きに取り組み、最後まで諦めない姿勢で仕事に励みたいと思っています。